エレキギター Roland Fender「G-5」のレビューです。
伝統的なフェンダーのギターにローランドの技術が搭載されました。
王道のストラトキャスター
ギタリストでなくても知名度抜群の二大メーカー、フェンダーとギブソン。
そのフェンダーのストラトキャスターという伝統的なモデルです。
まずそのシェイプ。
あらゆる場面で演奏に耐えるボディで頑丈です。
ステージで動き回っても部品が緩むことはありません。
そして3つのシングルコイルピックアップ。
フロントは甘く、センターは伸びが良く、リアは程よくキレがある音。
アンプを通した音は素直で、エフェクターを挟んでも雑味なく反映されます。
ひとつの音作りの指標となるでしょう。
そしてこのギターをどう使いこなすか、弾き手の腕が問われる1本です。
4つのモデリングを搭載
特徴は何と言ってもモデリング技術。
ストラト、テレキャス、ハム、アコースティックの4つのモデルをシミュレートし、ノブひとつで切り替えることができます。
エフェクターでシミュレートするものはたくさんありますが、それをギター本体に搭載しているものは類を見ません。
その秘密はGKピックアップ(ディバイデッド・ピックアップ)にあります。

ブリッジとリアピックアップの間に差し込まれた謎のデバイス。
これが信号を取り込み、内部で変換して出力するモデリング技術を搭載しています。
例えば私のケースだと、イントロはレスポール、曲中はストラト、ソロでまたレスポールに持ち替えたいときがあります。
そんな時にこのギターがあれば、それぞれ別のギターを用意する必要がなく、ライブやレコーディングも1本で完結できます。
私はテレキャスモードにして、センターで鳴る音がお気に入り。
なんともエレガントな響きがします。
5つの変則チューニングに対応
ドロップDにするためペグを緩めて、ノーマルチューニングに戻すためまたペグを締める。
そんな必要はありません。
本機はペグを触らず、ノブを回すだけで再現できます。
ただ、ドロップDにする機能は他のギターにも見られますが。
しかし、それだけではありません。
オープンG(DGDGBD)、Dモーダル(DADGAD)、バリトン(BEADF#B)、12弦のチューニングまでノブひとつで切り替えることができます。
これを可能としているものが、さきほど紹介したGKピックアップにあります。
通常のピックアップとは違い、各弦の信号を独立して出力することができるため、変則チューニングに対応できる仕組みです。
特にステージ上ではチューニングの変更に焦ることがあります。
そんな時にこの機能を使えば、ピッチのズレを根本的に防ぐことができます。
チューニングの違ったギターを複数用意する必要のない利点があります。
私はDモーダル(DADGAD)のsus4トーンがお気に入り。
青く光るLEDがかっこいい

インジケーターとして、青色のLEDが埋め込まれています。
これが暗闇で光るとアクセントになってかっこいいです。
また、電池残量も示してくれます。
残量が残り少ないと、ゆっくり点滅して交換を促すよう知らせてくれます。
消灯すると電池がありませんという表示灯です。
電池が必要
これらのモデリング技術を活用するために、単3電池4本が必要です。
充電可能なエネループなど用意すると経済的です。
しかし、充電や交換がやや手間です。
ジャックにプラグを挿すと電源がONになるため、演奏しないときはプラグを外すと良いでしょう。
(挿しっぱなしだと電池を消耗し続けます)
ちなみに、電池がなくても通常のストラトキャスターとして使用は可能です。
フェンダーメキシコ産
メキシコ産のためコスパに優れています。
可もなく不可もなく、といったところ。
個人的にはネック周りがしっくり来ません。
誤解がないように、フェンダーUSAと同じ管理下にあるので、品質は問題ありません。
部品の質や組み立て、塗装は好みの仕上がりです。
音が濁るとき
音が濁るときはGKピックアップの高さが不適切な場合があります。
ドライバーで簡単に調節できるので、弦から1mm程度の距離を保つようにすると良いでしょう。
終わりに
Roland Fender「G-5」の紹介でした。
ストラトキャスターにシングルコイルピックアップなので、ジャンルを問わずに活躍してくれるでしょう。
しかしその伝統的で定番な見た目とは裏腹に、ギター本体にエフェクターが搭載されたような変わり種でもあります。
様々なシチュエーションに対応できる1本をお探しであれば、検討してみてください。