ベロシティとは、音の強弱を制御するパラメータです。
ピアノ音源6種を用いて、音の比較も行います。
ベロシティとは音の強弱を制御するパラメータ
楽譜でピアニシモ(pp)、メゾフォルテ(mf)などの記号を目にしたことがあると思います。
ppp | pp | p | mp | mf | f | ff | fff |
とても弱く | ごく弱く | 弱く | やや弱く | やや強く | 強く | ごく強く | とても強く |
「ピアノ」の名前の由来となった「ピアノ(p)」「フォルテ(f)」ですね。
このように音の強弱を制御するパラメータをベロシティと呼びます。
数は「0」から「127」の値をとります。
楽譜ソフト「Guitar pro」では、標準で次の値に設定されています。
ppp | pp | p | mp | mf | f | ff | fff |
25 | 38 | 51 | 64 | 76 | 89 | 102 | 114 |
弱いと値が小さく、強いと値が大きくなります。
ただし、「ppp」だからベロシティの値は「25」という決まりはありません。
強弱を制御するパラメータであり、音量を制御するパラメータではありません。
しかしながら、一般的に弱い音は小さく、強い音は大きくなります。
ピアノ音源6種を用いて音の変化を比較
実際の音を鳴らして、確認してみましょう。
次の音源を使用し、「ppp」から「fff」まで順に音を鳴らします。
まずは低音域の「ド(C1)」です。
「ppp」ひとつとっても、各社違いますね。
同じベロシティでも、デベロッパーによって強弱の解釈が変わるところが面白いです。
次に中音域の「ド(C3)」です。
各社とも「ff」から「fff」の違いは如実に現れるのですが、「ppp」から「pp」の変化はいまひとつ違いが感じられません。
CFXはピアノ専用音源でサンプリング数が豊富なので、強弱の変化が流石といったところ。
サンプリング数とは、データの個数のことです。多いほど信頼性が増します。
最後に高音域の「ド(C6)」です。
ハンマーがストンと落ちる響きが顕著です。
ベロシティが変わると、音色も変わることが分かります。
このように、音域が違うだけで感じ方も異なるので奥が深いですね。
終わりに
ベロシティは音の強弱を制御するパラメータです。
パソコンに向かって「弱く弾いたあとに、やや強く弾いて」と言っても伝わりません。
そこで、ベロシティを指定する必要があります。
ベロシティの値を変化させることで、表情豊かな演奏に近づけることができます。