Audio Imperia「Nucleus」のレビューです。
シネマティック系オーケストラの総合音源です。
オーケストラ入門からずっと使える
オーケストラは楽器を揃えることが大変なのですが、これ1つでカバーできます。
特に始めの頃はどんな音源を選べば良いかまったく分かりません。
そんな時に、この総合音源があると便利です。
初めての入門にぴったりで、その後も戦力となってくれるでしょう。
基本的に音が中央で鳴るので、あえてセンターに置きたいときも違和感がありません。
本格的に配置したいときは、パン(定位)の勉強にもなります。
クセがなく簡単にシネマ系の音が出せる
既に完成された音なので、簡単に映画音楽のような雰囲気を演出できます。
音作りは触れば触るほど沼になり、肝心の制作そっちのけ、なんてことがあります。
これがあるとスケッチから完成まで音に迷うことがありません。
単体でも良し、レイヤーしても良し、非常に万能です。
操作しやすいユーザーインターフェイス
初見でもとっつきやすいUI。
「ベーシック」と「アドバンスド」のモードがあり、シンプルにまとまっています。
リバーブ、マイクが常に分かりやすい位置にあり、ワンクリック、もしくはちょっとしたノブの操作で調整可能です。
設定で音の立ち上がりを遅らせることもできるので、midiトラックをずらす必要もありません。
パーカッション、クワイアが想像以上に良い
ついつい管弦楽器のあとに回しがちな楽器であるパーカッション、クワイアも収録されており、それらが素晴らしいです。
特にティンパニは重宝します。
ロールの細かさだけでも数種類あり、キースイッチひとつで多彩な変化をしてくれるので、打ち込みの手間が少なくなります。
クワイアには「フレーズモード」があり、「Aah」や「Ooh」だけでなく、「ブレッシュルッッホンッパスッッ」みたいに、なんと発音しているか分からないフレーズも可能です。←実は非常に便利で使える
ロングトーンには対応しておらず、ショートノートだけですが。
バグもなく動作が安定している
バグらしいバグや、挙動が不安定になったことはありません。
とても安定しており、ストレスがありません。
安心して立ち上げられます。
頻度は少ないですがバージョンアップも行っており、バグの修正や新規音源を追加してくれたりするのでユーザーフレンドリーです。
専用音源と比較すると劣りがち
これは仕方のない部分ではありますが、各々の専用音源と比較すると劣るかもしれません。
あくまでアンサンブル主体であり、ソロは他に任せたほうが吉かも。
ソロ楽器も収録されており、それは嬉しいのですが、イマイチ使い所がなかったり。
それは私が未熟なところもあるので、もっと上達するように勉強します。
競争相手が多い
「オーケストラ 総合音源」なんかで検索すると類似製品がたくさん出てきます。
競争が激しく、さらに最近はもっと派手な音が好まれているような気もします。
あくまで伝統的なオーケストラ、という位置づけにあると思います。
終わりに
あまり目立った存在ではないですが、非常に優秀です。
オーケストラの勉強になり、クラシック音楽を幅広く任せられる総合音源です。
シンプルながら本格的な曲を完成できる強みを備えています。
アーティキュレーションは厳選されているので、制作スピードも上がります。
デモを聴いて、気に入ったら導入を検討してみてください。